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2019/4/8 インドネシア視察 ~国際空港の役割~

 インドネシアの第二の都市、スラバヤへ視察に行きました。羽田から首都ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港でのトランジット後、ガルーダ・インドネシア航空に乗り換えスラバヤのジュアンダ空港へと向かいました。

 今回の視察の目的でもある石油備蓄基地ですが、国のエネルギー政策の根幹となっています。原油を備蓄し、それを精製することで、様々なエネルギーや製品が生み出されます。電気、ガス、ガソリン、軽油、ジェット機のジェット燃料もそうです。空港の拡張には、避けて通れないエネルギー政策なのです。

 昨年も足を運んだ、スラバヤの石油、ガスのタンクターミナル建設現場ですが、その時から5ヵ月ほどで埋め立ての更地にタンクの姿が確認できるようになっています。
大型船舶がエネルギーを持ち運びする数キロメートル先の船着き場へ向けての埋め立ても急ピッチで行われています。
石油備蓄基地と港湾整備は、海の玄関口のインフラ整備です。
石油備蓄基地は、国家のエネルギー政策であり、港湾整備は、様々な物資を運ぶためには欠かすことはできません。

上の写真は、石油備蓄基地建設の埋め立て地ですが、当初計画よりさらに沖合にまで埋め立てを拡大する予定です。その総工費は4,000億円以上の莫大なものになります。

 インドネシアでは、空、海、そして、陸のインフラ整備が、政府事業として行われています。人口2億6,000万人を誇り、その半数が30代以下という、国に発展には必要不可欠な要素が十分揃っています。文字通り、日々変化するインドネシアを目の当たりにし、巨大なビジネスチャンスを生む国であることを改めて実感した視察でした。

ヒト・モノを運ぶ空の玄関口 ~スカルノ・ハッタ国際空港~

 インドネシアの経済発展を加速させているのが、公共交通機関、高速道路、橋梁、港湾などのインフラ整備ですが、インフラ整備の中で、最も重要なのが、空の玄関の整備です。
空港の利便性にはエネルギー確保が必要不可欠です。
 アジアでは韓国・仁川空港、中国・北京空港、シンガポール・チャンギ空港が整備され、アジアのハブ空港としての地位を不動のものとしていますが、インドネシアのスカルノ・ハッタ空港は、その空港に負けず劣らずの東アジアの玄関口になるハブ空港です。

 ハブ空港とは、航空路の基点となる空港の内、通常の空港よりも数多くの他空港への航空路が確保され、離着陸する航空機の機数や取り扱う旅客や貨物の量も非常に多い空港のことです。
また、航空会社が乗り継ぎ等の拠点として路線網を構築している空港のことも指します。
因みに、「ハブ空港」の語源は、当該空港から他の空港へと繋がる航空路の広がる様が、車輪のハブ(空港)とスポーク(航空路)のように見えることから、そう呼ばれるようになりました。

 アジアでは、国家戦略としてハブ空港の整備が行われています。
自国を代表する国際空港が国際航空路における「ハブ空港」となることは、その国にとって経済発展の原動力の一つとなります。
なぜなら、人の往来と貨物が集中することから経済活動の要所となり、自国経済への波及効果が計り知れないほど大きいからです。
インドネシアでも、経済の急成長に伴い、従来の空港容量では不足し、新空港の整備が必要となりました。

 その役割の果たすのが、首都ジャカルタにあるスカルノ・ハッタ国際空港です。
名称は、同国の「独立宣言書」に署名した初代大統領スカルノと同副大統領モハマッド・ハッタの名からとられました。
近年、旅客数の増加による空港のキャパシティオーバーにともない既存ターミナルの改修および新ターミナルの建設、さらにこれらをつなぐ移動手段の構築が推進されています。

 スカルノ・ハッタ国際空港の全貌をご紹介します。

 ターミナル1は、1985年完成。床面積142,730m2。半円形をしたターミナルビルで、開港当初は国際線・国内線の両方を扱っていましたが、すぐにキャパシティオーバーに陥いり、現在は、国内線専用ターミナルとして利用されています。
 ターミナル2は、1991年完成。床面積135,459m2。基本的なデザインは第1ターミナルと同様ですが、第1ターミナルより若干半径の小さな半円形となっている。出発階と到着階を分けた2層式ターミナルが採用されており、乗客、見送り客、出迎え客が明確に分離される形となっています。
 (旧)ターミナル3は、2009年に完成。床面積28,958m2。LCC専用ターミナルとして建設されました。第1、第2ターミナルとは異なり近代的なデザインとなっています。インドネシア・エアアジアなどが利用していました。
 ターミナル3ですが、ターミナル3 アルティメットとして、2016年8月9日に部分開業しました。 (旧)ターミナル 3 に隣接しています。2018年、前述の(旧)ターミナル 3 と連結したため、非常に大きなターミナルとなりました。
他、貨物ターミナル等です。
 そして、現在は、第4ターミナルを建設中です。国の威信を懸けて拡張を続けるスカルノ・ハッタ国際空港ですが、アジア最大級の空港としての地位の輝くのも時間の問題でしょう。

 国内航空路線の旅客数は2005年から3倍以上に増え、昨年は9,700万人近くに達し、インドネシアは近いうちに日本を抜いて世界第4位の航空旅客市場になる可能性があります。
ヒト・モノの行き来がスムーズな流れになれば、都市と地域の格差が縮小し、インドネシア経済をさらに発展させることになるでしょう。

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