1. HOME
  2. お知らせ
  3. 2019年
  4. 2019/2/13 ~春節期間中の中国人、インバウンド事業とは~

新着情報

NEWS

2019年

2019/2/13 ~春節期間中の中国人、インバウンド事業とは~

中国の一大イベント春節(旧正月)が終わりを告げる元宵節(げんしょうせつ)を迎えようとしています。元宵節は上元節、燈籠節とも称され、中国の伝統的な祝日として毎年、旧暦正月の十五日にあたる日にお祝いします。元宵節は旧正月に続く最初の大切な祝日であり、また旧暦新年の最初の満月の日です。元宵節が過ぎると春節は終わりを迎え、春が来たという象徴でもあります。

今年の春節も、民族大移動が起こりました。一年で最も混雑する時期で列車やバスはぎゅうぎゅう詰め、飛行機のチケットは入手困難です。チケットを手に入れ、故郷へ帰り家族と共に春節を迎えるため数倍もする値段のチケットをダフ屋から購入したり、購入するために3日間も並んだり、満席の電車やきちんと座る場所すらない乗客オーバーの12時間も揺られるバスのチケットを得るために20時間以上も立ってチケットを購入します。

その春節では多くの文化的な行事が行われます。地方や小さな町では今でも爆竹や祖先を祀り、また龍の舞といった習慣が残っています。 中国の多くの町のお寺の縁日では催し物が見られます。龍の舞や獅子舞、皇帝の結婚式のような催しが現存する大邸宅で行われています。ここでは様々なユニークなものが出されます。例えば面白い形のお菓子など最近ではめったにお目にかかれません。北京の寺院の縁日は春節の元旦から元宵節まで開かれています。北方に暮らす人々は「扭秧歌」と呼ばれる田植え踊りを男女ともに色鮮やかな衣装をまとい、歌い踊ります。

獅子舞や祝い事などでたくさんの爆竹を焚くことも、中国の風習としてよく知られています。しかし、近年は中国で深刻化している大気汚染の問題から、都市部で爆竹を禁止・制限する動きが広まっており、春節を盛り上げる威勢のいい爆音も、街から次第に消えつつあるようです。これも時代の流れなのでしょう

春節は、中国内の民族大移動と共に、海外への大移動も起こります。海外旅行です。春節期間中の中国からの海外旅行者数は、前年比7%強多い700万人と過去最高を更新する見通しです。中国の旅行予約サイト大手、携程旅行網(シートリップ)による今年の人気渡航先は1位から順にタイ、日本、シンガポール、マレーシアとなっています。

海外渡航先人気第2位の日本ですが、2018年頃からホットなレジャーとして急浮上しているのがスキーを目的として、来日する中国人観光客が多くなってきています。スキー人気の理由としては、
1.中国で2022年に北京冬季オリンピックが開催される予定で、ウインタースポーツの中でも、とくにスキーが注目されているから、
2.まだやったことのないスポーツなので体験してみたいから、
3.「爆買い」ではない新しい体験型の観光をしてみたいから、
などが挙げられます。

しかし、彼らがスキーに魅力を感じる背景には、潜在的に「日本の雪」へのあこがれもあるようです。それは、中国人旅行者たちのこんな生の声があることから理解できます。「北海道の雪は真っ白で、ふわっふわ。パウダースノーっていわれているそうですね。こんな真綿のような白い雪は中国では見たことがありませんよ。一面の銀世界ってこれだったんですね!」 こう語るのは上海から北海道にスキー体験にやってきた20代の女性です。上海でも冬になれば多少は雪が降るが、東京とほとんど同じくらいであまり積もることはない。なので、これまでの人生で「雪だるま」を作った経験もないといいます。

また、広州に住むある女性は、「一見、同じように見える雪景色なんですが、中国と日本では雪とセットで見る風景がまったく異なるんです。白川郷のような特別な観光地はもちろんのこと、札幌の時計台とか、金沢の兼六園とか、雪があると映えて、そこで写真を撮れば、中国人にも『あ、日本にいるんですね』とすぐにわかってもらえる。だからこそ、日本の雪にあこがれるんです」 今年の春節は、“雪へのあこがれ”もあり、札幌の雪まつりとも重なったことで、中国人観光客がどっと押し寄せ、札幌市のホテルはパンク状態になりました。

国内や国外で、思い思いの時を過ごす春節期中の中国人。日本は、2012年に日本政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化したのをきっかけに冷え込みましたが、2017年から徐々に改善に向かい、中国人の訪日を後押ししています。「爆買い」か「コト消費」へシフトが進む中で、訪日する中国人観光客は、日本の観光資源の多様さに感激し、心を満たされ、帰国することでしょう。春節のハイシーズンをあえて避けて来日する中国人観光客もまだまだ多いです。日本人にとってはありきたりの風景こそが、彼らにとっては観光の魅力のひとつになっていることに、もっと私たち日本人は気づくべきでしょう。

インバウンド事業は、未だ眠っている日本の観光資源を呼び覚ますこと、また、私たち日本人が当たり前になっている文化、習慣、伝統が、世界の人にとって如何に新鮮なものとして感じるかを自らが知ることが、この事業の本質だと感じます。日本の魅力を発信し続けること、そして、訪日した外国人が、日本で感じた魅力を母国に発信する、その相乗効果が、日本を観光立国へと押し上げる大切な要素となります。

増加する一方の訪日外国人観光客。当社の中核を成すインバウンド事業は、当社の成長を飛躍的に促す、大切なエンジンとなる事業です。

関連記事