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2018/11/19 グローバル化への出発点〔香港〕 ~アジアから欧米市場までを視野に入れる企業~

11月7日~11月9日に香港へ視察に行きました。今回の視察は、香港の市場調査が主な目的です。香港に出発する1週間前の11月1日には、東京のホテルニューオータニで、香港貿易発展局(HKTDC)が大規模海外プロモーション「think GLOBAL, think HONG KONG」が開催されました。「think GLOBAL, think HONG KONG」が日本で開催するのは2012年以来で、日本と香港の財界を結び、世界の潮流について情報交換などをしながら緊密化を図ることを目的としています。日本企業と香港が新たな時代を迎える為の貴重なシンポジウムでもありました。

初来日した林鄭月娥(Carrie Lam)行政長官は、参加した約2900人を前に「日本は観光、経済、文化が成熟した国で、香港にとって世界第4位の貿易相手国。高齢化という課題を共に抱えており、これに対応できるシステムを作り出すことが重要」と訴えました。
林鄭行政長官は10月29日~11月2日の5日間の日程で訪日し、その間に日本在住の香港人らと会ったほか、東京都の小池百合子知事とも会談。林鄭行政長官は「香港も東京もビジネスのハブであり金融の中心。東京は香港人の最もホットな旅行先で今後も交流とさらなる関係強化をしたい」と訴えました。

テーマ別の分科会の一つである「中国・アセアン市場とその攻略法」では、丸亀製麺などを運営するトリドールホールディングスの粟田貴也社長らが登壇。トリドールは香港市民に親しまれているヌードルチェーン「譚仔雲南米線」を2017年5月に買収したことで香港社会に驚きを与えましたが「世界経済において香港はアジアのハブであること、中国への足掛かりの場所でもあり、アセアン諸国にも影響力が持てる」と香港進出のメリットを強調しました。

香港名物「チョンキンマンション」

近年、トリドールホールディングの他にも様々な業態の企業が、香港へのアプローチを加速させています。香港は、金融と観光、美食の街ばかりでなく香港1人当たり名目GDP(国内総生産)は、約540万円と日本を上回り、5年後には約20%増加するとも予測されています。東京から空路約4時間の距離にある、一大消費市場でもあり、欧米市場進出への窓口ともなる為です。

眼鏡専門店「JINS」を運営するジンズが香港・九龍地区の大型ショッピングモールに進出したのは、この9月下旬。オープンから約1カ月後の現在も、オシャレな眼鏡アイテムを求める香港人の行列が続いています。日本ならばレンズや眼鏡フレームなどワンセット約7400円でそろえられますが、香港店では約1万2000円と高めに設定。それでも購買者の列は絶えません。

また、企業監査などの南青山グループは、香港に本社を置く中国大手のコンサルティングファーム「Shine Wing」に傘下入りし、日本の現地法人を設立しました。南青山グループの仙石実代表は「アジアから欧米市場までを視野に入れる企業にとって、香港はグローバル化への出発点となり、東証上場を飛び越して最初から香港での上場を計画している日本企業も出てきている」と話します。

日本国内の企業が香港を目指すには、次の二つの理由があります。第一に、香港経済は、国際金融センターの機能が充実しているからです。世界トップ100の金融機関のうち約70行の拠点があり、資金調達や資産管理・運用を代行のアセットマネジメントに有利な環境が整備されています。第二は、米シンクタンクなどによる「経済自由度指数」では、香港が長期にわたって連続1位であることです。政府の干渉や規制が緩く、ビジネスや貨幣の自由度が高い点が特徴です。資本流動性と外国投資などの点では世界トップクラスにあります。また、税制面がシンプルな点も国際ビジネスを展開しやすくするでしょう。法人税は最大16.5%、個人15%、キャピタルゲイン、輸入関税は0%です。

経済のみならず香港はアジアにおける流行文化の発信地、中継地、消費地といえる場所です。香港の流行文化は、中国および台湾で大きな影響力をもっており、さらに日本、韓国および東南アジア各地にまで影響力を伸ばしています。また香港は、世界各地の流行文化の中継地でも、また消費地でもあります。アメリカ、日本、韓国、中国大陸、台湾の文化商品は香港市場に溢れており、香港の現地流行文化に常に衝撃を与え続けています。

クリスマスイルミネーションが輝く香港島の夜景

香港は、政治的には「一国二制度」という特殊な統治システムであり、常に大国のチャイナリスクに晒されてはいますが、経済成長率、税制面、そして、地理的条件等を鑑みた場合、これほど魅力に満ちた市場は、他には見られないでしょう。現在、香港に進出している外資系で一番多いのが日本企業で、1378社が進出しています。日本企業と香港の結びつきが如何に深いものであるかの証左です。

香港での成功は、アジアの成功に繋がり、それがグローバル企業への成長にも成り得ます。私たち、イーアクティブグループは、そのような企業を目指すことをビジョンとしていますし、今回の視察もまた、実り多いものとなりました。

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