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2018/6/13 シンガポールの発展 ~DBS銀行(シンガポール開発銀行)の影響力とは~

 6月12日(火)午前9時(日本時間10時)に、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による史上初の米朝首脳会談がシンガポール南部のセントーサ島にある高級リゾート、カペラホテルで行われました。

米朝首脳会談の舞台であるカペラホテル

 シンガポールが会場に選ばれたのは、シンガポールが、米国とも北朝鮮とも外交関係を維持していて、シンガポールは、米国とはいいビジネス・パートナーで、北朝鮮のような独裁国家などにも良好な関係を築いている中立性を持った国家であることがその理由のようです。

 今回の会談の最大の注目点は、北朝鮮の「完全な非核化」でした。両首脳の共同声明はその具体的な内容に踏み込みませんでしたが、米朝両国の首脳が初めて会談し、今後、米朝間で新しい関係を築いていくことと、朝鮮半島で永続的、かつ安定した平和の体制を構築していくために米朝両国が協力していくことなど重要なことが合意されました。また、トランプ米大統領が、日本の拉致問題にも言及したことは、今後、拉致問題の解決に向かう可能性もあることから、安全保障上はもちろんのこと人道上においても有意義な会談であったと思われます。

 マーライオン、マリーナベイ・サンズと聞いて、誰しも思い浮かべることが出来る国、シンガポール。世界屈指の貿易・金融国家であり、近年は、観光立国としての地位も築きつつあります。

シティ・エリアにあるトーマス・スタンフォード・ラッフルズ卿像

 1819年、イギリス東インド会社の書記であった、近代シンガポールの父と呼ばれるトーマス・スタンフォード・ラッフルズ卿が、シンガプーラ(現:シンガポール)に上陸したことから始まるシンガポールの歴史は、1940年代の日本の統治時代、日本の敗戦によるイギリス統治時代を経て、1955年にはシンガポールは部分自治を認められることとなります。そして、1959年にはシンガポールは部分自治から完全自治へと移行し、マレーシア連邦の一つの州に合併を一旦されますが、マレーシア連邦との対立を経て1965年には念願の完全独立を果たすこととなります。

 その後、シンガポールはアジア各国へのアクセスの良さや、無関税の自由港であった背景から、国際的に貿易・金融市場を大幅に発展させることに成功します。その経済発展のスピードは著しく、独立した1965年からの30年の間、平均で10%の年間の経済成長率を達成していました。

DBS銀行マリーナベイ金融センターシンガポール

 その重要な役割を果たしてきたのが、当社が法人口座を持つDBS銀行(シンガポール開発銀行)です。この銀行は1968年にシンガポール政府により開発に対する融資機関として設立されました。今日では、その支店が100以上も島々に広く存在しています。DBS銀行は東南アジアにおいて資産において最も大きな銀行で、アジアの中でも大規模な銀行の1つです。香港とシンガポールにおいて、一般銀行業務、資金調達、資産運用、証券仲介、負債処理において優位な位置を確保しています。

 また、米金融ビジネス誌グローバル・ファイナンスが、2017年に発表した「世界で最も安全な50銀行」ランキングで、DBS銀行は世界11位となり、アジア地域でトップでした。アジア首位は9年連続。その他、シンガポールのOCBC銀行が世界13位、UOB銀行が14位に入り、同国の3大銀行がアジアの上位3行を占めました。同調査は毎年、世界の大手銀行500行を対象に実施され、各行の総資産や格付け会社による長期格付けなどを基にランキングを作成しています。ちなみに、日本の銀行からのランクインはありません。

~日本の銀行との差~

 ここで、日本で最大の総資産額を誇る三菱UFJフィナンシャルグループとDBS銀行を、世界での代表的な格付け会社である、ムーディーズ及びスタンダード・アンド・プアーズの両行への格付けを比較してみます。格付けとは、一言で表すと債務不履行リスクです。

 まずムーディーズですが、三菱UFJフィナンシャルグループの格付けを、最上級から5段階目のA1としていますが、DBS銀行は、最上級の2段階目のAa1としています。また、スタンダード・アンド・プアーズの両行への格付けは、三菱UFJフィナンシャルグループの格付けを、最上級から7段階目のA-(シングルAマイナス)としていますが、DBS銀行は、最上級から4段階目のAA-(ダブルAマイナス)としています。

 参考ですが、HSBC銀行は、ムーディーズは、最上級から5段階目のA1、スタンダード・アンド・プアーズは、最上級から6段階目のA(シングルA)と格付けされています。このような格付けからも、DBS銀行が如何に信頼を勝ち得ている銀行であるかを表しています。

~海外口座開設の難しさ~

 日本企業が海外で法人口座を開設することは、年々難しくなってきています。それは、個人が口座を開設するのも同じです。2016年4月のパナマ文書流出問題から海外での法人口座開設の審査が厳格化された背景があります。法人口座開設の審査では、「口座を開設する必要性、事業内容、事業活動の実体、株主や役員の経歴」などを銀行担当員に対して説明します。その際に多くの企業が資料や書類の不足により法人口座開設が却下されているのが現状です。そういう中で、当社は、HSBC銀行、DBS銀行の法人口座を開設しています。

 香港と同様にASEAN諸国へのビジネスを展開するためには、欠かしてはならないのは銀行の法人口座です。前述したように、アジア地域で「最も安全な銀行」として認知されているDBS銀行は、当社が今後のビジネス展開をする上で、これ以上ない頼もしいビジネス・パートナーであり、心強い味方であることに間違いありません。

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